降水確率5%、太陽は中点よりやや西。
今日のラッキープレイスかもしれないジュネスのフードコートに、
大人2人、未成年1人が座った。
堂島、甥、向かいに足立。
堂島におごってもらった缶ジュースをそれぞれ飲んで、しばらく歓談していたが、
少年がある話を持ち出した瞬間、足立は目を吊り上げた。
「えーやだ! 絶対やだ!」
「話だけでも聞いてください」
「やだやだ! なんで僕がダンスしないといけないんだよ!」
足立は机を叩く。
倒れかけた缶を、残りの2人が計算したかのように支える。
「どうしても足立さんのダンスを見たいって人が多くて」
「はぁ? 意味わかんない。誰だよそれ!?」
「名前言いましょうか?」
「いい。僕、踊らないから!」
「お願いします。足立さんのダンスを待っている人が大勢いるんです!」
「足立」
堂島が、やんわりと部下の肩に手を乗せる。
慰めるように頷き、一枚の書類を掲げた。
「署長命令だ。踊ってこい」
足立は、命令書を奪い取った。
何度も書面を確認し、顔を真っ赤にすると、立ち上がりざま悪魔の契約書を机に叩きつけた。
「誰が手ぇ回したんだよ! 管理職も止めろよ!」
「公僕の辛いところだ。市民の願い、聞き届けてこい」
「ふ、ふざけてますよ! こんなの間違ってる! 世の中クソだな!」
「クソみたいなことを乗り越えて生きていく。それが人生だ」
「なんすかそれ。ちょっと、いい感じのこと言ったら、僕が納得すると思ってんすか!?」
「骨は拾ってやる」
「やりましょう足立さん!」
無駄。
泣いても喚いても無駄。
怒りを通り越して白眼をむきそうになった足立は、かっと目を見開き、堂島の腕にしがみついた。
「堂島さんが踊るなら、僕、踊ります!」
「ちょっ、待てオイ!?」
「名案です!」
キラキラした目で甥は、叔父を見た。
「堂島さんも参加したらいいじゃないですか。刑事コンビで、みんな喜びますよ」
「ソーダヨネー。世ノナカ、絆デスヨネー」
「やらんぞ俺は! 仕事あるしっ」
足立は、さっと携帯を出した。ワンコールで相手が出る。
「あ、もしもし署長っすか? 足立です。どもー。
え、巡回? してますしてます。ところでダンスの件ですが、堂島さんも出たいって。
え、オッケー? あざーっす! 堂島さんにも伝えます。じゃっ」
ピッ。
「オッケーですv」
「あほかー!」
形勢逆転。
年下2人が、菩薩級の笑みを浮かべる。
少年は足立の、足立は堂島の肩をもち、無理やり円陣を組んだ。
「刑事コンビと絆フェスの成功を祈って、エイ、エイ、オー!」
「嫌だぁああああああ!!!」
堂島の絶叫は、綺麗な青空に吸い込まれていったのだった。
つづく?
この後、番長が教えるの希望♪
主足ルートと、足堂ルートで。