1 キャベツを買う。
2 ラップを取る。
3 むしる。
4 洗う。
5 食べる。
6 残ったら冷蔵庫に、ごろん。
7 あ、前に買ったキャベツ腐ってる。

「8 終わり」
「まじで?」
「まじで」

パリパリとキャベツをかじる。
絶妙な咀嚼音に沈黙が重なる。

「ほんとキャベツ便利だよね。
つーか何で君、僕の部屋にいるの?」
「堂島さんに頼まれたんです。足立の部屋見てこいって」
「はぁ?」
「で、栄養価たりなさそうだったら、ご飯つくってやってくれって」
それでスーパーの袋、持ってきてるのね、甥っ子くん。

「はぁ、君も人がいいねぇ。でも不法侵入はダメだよ」
「大丈夫です。ちゃんと管理人さんに話しましたから」
「どゆこと?」
「人間って信頼関係ですよね」
菩薩級の笑みを浮かべる少年。
管理人のおばぁさんの顔が目に浮かぶ。
「・・・もういいよ。で、何か作ってくれるの?」
「台所借りていいですか?」
「どうぞ」
「キャベツは没収です」
「え〜」
口寂しいのに。
「すぐできますから」

しばらくして、スパイシーな香りが漂ってきた。
「カレー?」
「正解です」
「なぜに2皿?」
「いっしょに食べます」
「夫婦みたいだね。はは・・・は?」

軽く、唇が触れていった。

「・・・君、行儀悪いよ」
「いただきました」
「手を合わせなくていいから!
うぅ、もういい。食べよう」
「いただきます」


半分ほどかき込んだところで、ちらっと少年を見る。
少年が触れた部分が熱いのか、カレーが辛いのか、
唇がヒリヒリする。

「君、堂島さんに言われて来たって嘘でしょ」
「食後にプリン食べたくないですか?」

取引ってわけ?

「大きい方、ちょうだい」

じろり、と少年を見た。
「どうせ2つあるんでしょ?」

もう、極上スイーツみたいな笑顔で、プリン取り出すんじゃないよ。


「キャベツの極意、8の法則ですけど・・・」
あぁ、さっきの話?
「10番目に、『僕といっしょに食べる』って追加しておいてくださいね」

あぁもう何それ?
次もいっしょに食べようっての?
確かに、このカレーおいしいけどさぁ。
これだから現代っ子って、わけわかんない。

つか9番目って・・・。


「足立さん、顔赤い」
「黙って食べなさい」
「はい」


そえられた千切りキャベツを噛んだ。





初、主足主。
この足立さん、きっと仕事帰りね。
言動が疲れてる(笑)

これをきっかけに、キャベツ料理をたくさん作るがよい。

9番目の法則は、皆様の想像におまかせします♪