*クリスマスSS*(基本ラブです。猛獣除く)

 ・主足(微エロ・サンタコス・ややツンな足立。クリーム)

 ・足堂(微エロのみ。短め)

 ・主堂(微エロのみ。女装。短め)

 ・???(暴力表現あり。禍津稲羽市)

 ・堂島家と足立さん(サンタコス・プレゼント)

 ・堂足(微エロ。パーティーの前に)

 ・大谷と海老原コミュ(猛獣コミュ?・スイーツ・決戦)

 ・男雪子x男千枝(性転換ネタ。恋人になりたて)


 ・長瀬x一条(クリスマスイブ・甘め)

 ・足主(微エロ・サンタとトナカイ・軽い調教)



*******************************
































































 遠くからでもわかった。

 俺の部屋を見上げるあいつのこと。
 冬には薄い水色ジャージ。
 絆創膏をした鼻はトナカイみたいに赤く染まって。
 吐く息が雪のかわりに、空に浮かぶ。

 ずっと待っていたのだろうか。
 電話かメールすればいいのに。

 長瀬、と呼びかける前に、あいつが振り向いて、にかっと笑った。
 それだけで、ふわっと心が軽くなって足早に近づいた。


 「今日、待ち合わせしてたか?」
 「いや。ジョギングついでに寄った」
 「次は連絡くれよなー。すぐ来るから」
 「気にすんな。すぐ帰るし」

 そういう長瀬の歯の根は震えていて。
 らしくないなと首を傾げる。

 「一条、クリスマスは本家か?」
 「いや、お婆様はそういうの嫌いなんだ。
 だから、夜は家族で飯食って寝るだけ」

 「抜け出せよ」

 「え?」
 「飯、食ってからでいいから。俺の部屋に来い」
 「でも・・・」

 戸惑う俺の腕を、長瀬は強く掴む。

 「家のためとか、しなければならないとかじゃなくて。
 お前のやりたいことやれよ」
 「・・・長瀬」
 睨むように見つめられて、胸がざわめく。
 「俺は、お前と一緒にいたい。お前は?」
 「俺・・・?」

 考えたこともなかった。
 学校はともかく、自分の家で「自分の好きなように行動し、発言する」なんて。
 いや、本当はいつでも素直に甘えたりわがままを言ったりしたかったが、いつも「家」のため、「家督を継ぐ長男」として、ふさわしい振る舞いを心がけてきた。
 それが自分の義務であり、使命であり、一条家で養ってもらっている恩義を返すことだと思っていたから。
 だが、妹が産まれ、「長男」ではなく、ただの「一条康」に戻った。
 一条家の一員として、最低限のことは求められても、もう自分は、特別に何かを強いられることも自分から戒める必要もなくなったのだ。それはわかっているのだが。
 長年の呪縛は、未だ自分の奥底に根を張り、言葉を手足を絡めとる。

 「俺、は・・・」

 拳をにぎりしめ、重たい唇をこじ開ける。

「お前の、そばにいたい」

 墜落にも似た浮遊感に、ぎゅっと目をつむる。
「俺は、お前がいい」

 その瞬間、ふわりと包まれて。
 長瀬の息が首筋にかかる。

 「・・・康」

 溜息のように囁かれて、凝り固まっていたものが、解けだしていく。
 何かを許されたような気がして、広い背中にしがみついた。

 「長瀬、好きだ」
 「大輔って呼べよ」
 「・・・は、恥ずかしいだろ」
 「呼べって」
 「・・・・・・・・・大輔」

 ますますきつく抱きしめられて、そういえばここは家の前だったと思い出し、慌てて長瀬から離れた。

 「お、俺、行くわ」
 「今夜忘れんなよ」

 きびすを返しかけた長瀬の腕を、今度は俺が掴む。
 「・・・これ、使えよ」
 手袋を脱いで、長瀬に差し出す。
 「会う前に、風邪ひかれちゃ困るから・・・」
 目を見開く長瀬に、「早く受け取れよ」と胸に押し付ける。

 「なぁ。キスしていいか?」
 「・・・っ。聞くな! そういうこと!」
 相変わらずデリカシーがないな、こいつ!
 「じゃあする」

 近づいてきた胸を押し返し、手袋で長瀬の顔を叩く。

 「つ、続きは、夜に・・・!」
 「・・・だめか?」
 「だめだ」
 「・・・覚悟しとけよ」

 顎を上げて、長瀬は堂々と宣言する。
 「今夜は寝かせねーからな」
 「うわ、馬鹿! 声でかいって!」

 慌てて塞ごうとした俺の手は、引き寄せられて。

 「・・・だめって言っただろ・・・」
 「俺、短気なんだよ」
 にやっと笑われて、かぁっと顔が赤らむ。
 「ちくしょー。覚えてろよ!」
 「望むとこだぜ」
 「も、ほんとお前帰れ! 今すぐ帰れ!」
 「へーへー。あ、来れるようになったらメールしろよ。ーーー迎えに来る」

 急に真面目になった表情に、ますます顔が熱くなりそうで、俺はぶっきらぼうに応えて玄関に向かった。
 ノブに手をかけたところで、こっそり長瀬の後ろ姿を目で追う。
 その背が消えるまで眺めて、扉を閉めた。










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 クリスマスパーティーではしゃぎ疲れた菜々子と酔いつぶれた堂島を寝かせて、2階に上がった。

 扉を開けたとたん、後ろから突き飛ばされ、布団に転がる。
 起き上がろうとして、足の上に重みが加わり、俺は動けなくなった。
 「足立さん、今日はしないって・・・」
 「あぁ、そんなこと言ったっけね。嘘だよ。そんなの。
 ちょっとは警戒したら?」
 膝で中心をすられて、ならされた体はそれだけで弛緩する。
 無理やり口付けられ、しかたなく俺も応じた。
 角度をかえて舌を絡めると、反動で俺の首輪につけられたベルが、からんと鳴る。

 「ね。今日は上に乗ってよ」
 「え。・・・っ!」

 首輪にぶらさがっている鎖を引き寄せられ、息が詰まる。
 「トナカイはサンタの言うことを聞いてればいいんだよ。
 それとも、お仕置きされたいの?」
 「違っ・・・!」
 「そう・・・じゃあ、自分でしてごらん?」

 俺の着ていたトナカイの衣装を脱がし、足立はサンタの衣装を着たまま、寝転がる。
 ただし、俺が動けるていどに、鎖の端を弄びながら。
 「あまり、見ないでください」
 おそるおそる足立に跨がった。
 「自分で解して見せて」
 ニヤニヤと笑う足立さんに、羞恥心が高まる。
 「・・・っ、でも」
 ぐずっていると、足立の顔が歪んで。
 「あっ!」
 「もっと叩かれたいの?」
 「あ、ぁ」
 パン、パンと獣にするように尻を叩かれて、甲高い声が出る。
 「興奮してるんだ?」
 「え、あ、あぁ・・・」
 右手で自分のものを握らされると、それは先走りの蜜をしたたらせていて。
 「痛いの、好きなんだ?」
 「そんなこと・・・!」
 「こんなに感じてるのに?」
 嬲られると、淫猥な水音がして。恥ずかしすぎて抵抗する気がなくなった。

 俺はいつもされているように、先走りを指にまとわせ、自分の奥を解した。

 敏感な部分への刺激にわななきながら、足立さんの赤いズボンをずらし、軽く屹ち上がったものに向けて、ゆっくり腰をおろした。

 「・・・っ」
 「きつっ。もっと足開いて」
 「できませ・・・あぁっ!」
 腰を掴まれて、無理やり挿入されていく。
 体が引き裂かれそうな傷みと圧迫感。
 いつもより深い結合に、目の前がチカチカする。
 やわやわと萎えたものを揉まれて、苦痛の中に快楽が混じってくる。

 「ほら。自分で動いてみて」
 「できな、い」
 「トナカイなら、ちゃんと走ってくれなきゃ」
 優しく請われて、それが快楽物質となって体の中をめぐった。
 ゆっくり腰を上げ、また深く呑み込んでいく。
 気持ちのいいところを探して腰をゆらすと、足立も押し殺した呻きを洩らすようになって。
 その声に、背筋がぞくぞくする。
 「あっ・・・ん、あぁ」
 懸命に腰をつかっていると、急に下から激しく突かれた。
 「足立さん、俺・・・もう」
 「僕より先にイくな」
 「っ・・・!?」
 色っぽい瞳で見つめられて、俺は達した。
 自分の体を支えきれなくて、ふらついたところを、更に引き寄せられ、ずん、と奥をすられる。
 「あぁ、やぁ・・・!」
 激しい快楽に、声が抑えられない。
 下では、菜々子も堂島さんも寝てるのに。
 「声、聞かせてあげなよ」
 俺の考えを読み取ったように、足立が薄く笑う。
 「それとも見せに行く?」
 貶められて、与えられた快楽にならされて。
 昏い思考に、蝕まれていく。

 「足立さん、足立さん」
 体も心も変えられていく悦楽に、何度も甘い名前を呼んだ。










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 「あ〜も〜クリスマスだってーのに、なんで僕ら仕事なんですか? もうさっさと終わらして帰りましょうよ」
 「ぶつぶつ言ったって仕方ないだろう。黙ってやれ。そしたら終わる」
 「も〜真面目なんだからぁ」

 鋭い目で書類チェックをする堂島に唇を尖らせ、足立もパソコンのモニターに目を戻す。
 早く帰りたいと思う日にかぎって、仕事が集まってくるのはなぜだろう。
 今日なんて典型的だ。
 それでも要領のいいやつは適当に切り上げて、夜を謳歌しているだろうに、堂島はまるっきり反対のポジションだ。
 つきあって仕事してる僕もどうかと思うけど。
 こんなイベント日くらい、家族サービスすればいいのに。
 ったく、菜々子ちゃんがぐれても知らないぞ?
 エンターキーを叩いて、プリンターの方に向かった。




 「ただいま〜」

 「お父さん遅いー!」
 「悪い悪い。ちょっと立て込んでてな」
 「ごめんねー菜々子ちゃん。そのかわり、はいお土産」
 「わ〜! お菓子だ! 足立さんありがとう!」
 「はは。菜々子ちゃん、今日はサンタさんかな?」
 「うん! お兄ちゃんもだよ!」

 サンタの衣装を着た菜々子が、くるりと回ってみせる。
 赤いスカートが、なかなか可愛らしい。

 「お帰りなさい。堂島さん。足立さん」
 「おう。すまんな。パーティーの用意、全部任せちまって」
 「菜々子も手伝ってくれましたから。どうぞ」
 招かれて中に入れば、壁には虹色のモール、窓側には小振りながらクリスマスツリー、こたつ机にはごちそうとケーキ。クリスマスの夜を微笑ましく演出している。

 「へぇ〜、すごいねぇ」
 「すまんな。代金は後で払おう」
 「いえ。臨時収入がありましたから。それより足立さん、これ着てください」
 「え、何?」
 「開けてのお楽しみです」

 甥っ子が、うきうきしながら袋を渡してくる。
 よほどこういうイベントがうれしいんだなぁと、頷いて開けた。

 「・・・何これ」
 「サンタクロースです」
 「見りゃわかるよ! なんでミニスカなんだよ!」
 「衣装・・・売り切れてて」
 「いやいや買うなよ。着ないから」
 「・・・どうしても駄目ですか?」
 「駄目だって」
 「・・・みんなで楽しいクリスマスにしたかったんです」
 だからそれがなんでミニスカ?
 「俺、家族とこういうことしたことなくて・・・。一生懸命考えたんですけど・・・すみません」
 しゅんとして顔を下げる甥っ子に、おいおい高校生だろと内心ツッコミながら、堂島の方を見た。
 うわ。堂島さん涙目だし。

 「わかった! 今年のクリスマスはお前のものだ! 何でもしたいことを言え! 俺たちが全面的に協力する!」
 ほだされるの早っ! つーかさりげに、俺「たち」になってる!?
 「僕、巻き込まれたー!?」
 「足立ぃ。お前、いいやつだなぁ」
 「えぇえ!? やるって言ってませんよー!?」
 「ありがとうございます足立さん。ささ、ここで生着替えを!」

 「会話のドッジボールをするな! 僕、嫌ですからね! 帰ります!」

 「足立ぃ。俺の甥っ子のお願いが聞けないってのかぁ? プリンター壊したの、一緒に謝ってやったよなぁ?」
 「〜〜〜っ。わ〜か〜り〜ま〜し〜た! 着ればいいんでしょ! 着れば!」
 「足立。ありがとよ」
 「ど、堂島さんがお礼言わないでくださいよ」
 「はい。堂島さんも」
 「おう。って、このサンタ服も女物・・・!?」
 「堂島さん・・・」
 ぽん、と堂島の肩を叩いた。
 「甥っ子くんのお願いが聞けないんですか?」
 「〜〜〜っ。わかったよ! 男に二言はねぇ! サンタだろうがバニーだろうが着てやらぁ!」
 「ありがとうございます! 堂島さん、足立さん、大好きです!」
 「菜々子は〜?」
 「もちろん大好きだよ」
 「菜々子もお兄ちゃん大好き!」

 「・・・足立、行くぞ」
 「・・・はい」
 「あ、堂島さん、足立さん、これもどうぞ!」
 「・・・」
 「・・・」
 「・・・」
 「・・・」
 「・・・」
 「・・・駄目、ですか?」
 「あ〜もう! わかったよ! すればいいんでしょ! すれば!」
 「・・・さすが姉貴の子」
 大人2人は、「ちょっと選択肢を間違ったかもしれない」と後悔しつつ、
 脱毛グッズとガーターベルトも持って、風呂場に向かった。





 「あ〜うまかった」
 「えへへ。このケーキ、菜々子とお兄ちゃんが作ったんだよ」
 「これならジュネスに売れるかもねぇ」
 「足立さん、買いに来てくださいよ?」
 「ビールもつけてくれるならね」

 「さて、子どもは寝る時間だぞ。そろそろお開きにするか」
 堂島が、菜々子に微笑む。
 「早く寝ないと、サンタも来れないだろうからな」
 「うん! でもちょっと待ってて!」

 そう言って菜々子と甥は、席を外した。

 「どうしたんだろうな」
 「もうコスプレは勘弁っす・・・」

 サンタ、トナカイ、サンタと着替え直させられた2人は、疲れたように笑った。


 「お待たせ!」
 手を後ろにして、2人が帰ってきた。
 そして、子どもたちは目配せして、「せーの」、

 「お父さん」「堂島さん」「足立さん、いつもありがとう!」

 手紙とプレゼントを出した。

 「・・・ど、どうしたんだ?」
 「君らクリスマス、勘違いしてない?」
 あたふたする大人に、子どもを代表して菜々子が言った。

 「あのね! サンタさんは子どもたちにプレゼントをくれるでしょう?
 だからお父さんたちには、菜々子たちがプレゼントをあげるの!」
 「俺たちは、いつも堂島さんや足立さんたち大人から、たくさんのものや想いをもらっています。だから、日頃の感謝も込めて」
 あぁ。だから2人とも、サンタクロースの格好をしていたのか。

 「メリークリスマス!」

 プレゼントの重みに、じわっと何かがこみ上げてきて。
 鼻の奥がつんとして、慌てて堂島の方を見ると、子どものサンタクロースたちを、ぎゅうっと抱きしめていた。

 「・・・ありがとな」
 「えへへ」
 「最高のクリスマスプレゼントだ」
 「堂島さん、苦しいですよ」
 「馬鹿野郎。もっと抱きしめるぞ」
 「・・・足立さんも、来ます?」
 「え、いや、僕は・・・」
 「ばっかやろう! こういうときは遠慮せず来い!」
 「ぐえっ! 言う前に抱きつかないでくださいよ!」
 ぎゅうぎゅうとおしくらまんじゅうになって、だれからともなく笑いだした。

 雪が降らなくても、毎年ケーキがなくても、この思い出があれば、
 いつでもサンタクロースは来るのだろう。

 「・・・こんなクリスマスは初めてです」
 「だったら来年も、しよう」
 「うん! 菜々子もケーキ作る!」
 「俺も、新しいサンタ服、見つけてきます!」
 「・・・それはいいから」

 サンタたちは、笑い合った。











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 髪、よし。
 新作のスカート、よし。
 マニキュアもきれいに塗れて、化粧のりも、よし。
 なのに。
 「なんで、クリスマスに、あたしは1人なの!?」
 買ったばかりのブランド品を、地面に叩き付けたいのを必死におさえて、
 海老原はヒールを鳴らしながらデパートを歩いた。
 こうなったら甘いものでもやけ食いしないと気が済まない。
 地下で物色していると、催し物の看板に目が止まった。

 〜お昼だけの特別企画! 9階レストラン街で1時間スイーツ食べ放題! 今なら割引中!〜

 「これだわ!」
 閉まりかけたエレベーターにダッシュで駆け込むと、すでに9のボタンは押されていた。
 この中にライバルがいるかもしれない、と思ったとき。
 「あれ〜? 海老原さぁん?」
 「げっ」

 振り返るとやつがいた。
 「大谷〜。気安くあたしの名前を呼ばないでよね」
 頬をひきつらせながら、ふん、と前を向いた。

 扉が開くのももどかしく、目的の店に駆け寄ると、すでに女性客が列をなしていた。
 普段なら待つのが嫌で、違う店に行くこともあるが、今日は違う。
 絶対、絶対、ここで食べてやるんだから!
 最後尾に並んで、待っていると。

 のしのしと私服の大谷が、あたしの後ろに並んできた。最悪だ。

 「あら、海老原さんも、食べ放題?」
 「・・・まぁね」
 「ふーん。ま、お店のケーキは私が食べ尽くしちゃうけど」
 「はぁ? あんたに食べられる前に、あたしが食べるっつーの」
 「じゃあ競争する?」
 「へぇ? あんた、勝負であたしに勝てると思ってんの?」


 「お客様、お待たせしました」


 呼ばれて海老原は、
 「あーはいはい。今、行きます」
 「・・・あの、お客様お一人ですか?」
 「そうだけど?」
 「申し訳ございません。本日は、2名様からの割引になります」
 「はぁ!?」

 「お一人の場合、割引がきかなくなりますが・・・よろしいですか?」
 「・・・」
 「・・・」
 「・・・」
 「大谷」「海老原さん」

 同時に、ちら、と視線をかわす。
 そのとき、2人の心は、1つになった。




 「まずは全種類制覇! 2周目は各自、得意な分野を各個撃破よ!」
 「これだから素人は・・・。2周目も全種類撃破に決まってるじゃな〜い?」
 「な・・・!? こうなったらクリスマスツリーみたいに盛りつけてやる! 略してツリ盛り!」
 「丼皿でもあれば、楽なんだけどね〜」

 盛りつけた皿がテーブルからはみ出すくらい敷き詰めたところで、席に着いて、貪り出す。

 「どれから食べよっか。って早!?」
 皿の上のケーキが、消えた。
 「このショートケーキ、下の生地まで果汁がしみてて、おいしいわ」
 「あぁ! それあたしが狙ってたのー!」
 「この世は戦い。ぼやぼやしてたら、その白モンブランも頂くわよ」
 「駄目! これ、20分後じゃないと追加こないんだから!」
 白、というより明るい灰色のスイーツを見ると、なぜかやたらとむかむかして、ぶすりとフォークを突き立てた。
 「ったく。なんであたしが、クリスマスに男いないのよ! 予定があるだぁ!? あいつめ〜! このぉ! このぉ! くそ! これおいしいわ!」
 「日頃のうっぷんごと食べてやりましょう。ここは地獄にして楽園。乗り越えて更なる高みへのぼるための、乙女の試練」
 「うぅううう! 男なんて男なんてー!」
 「あ。このムース、三層になってておいしい」
 「あ、ほんと。こっちも、この手の企画にしては、いちごがおいしいわ。くっ。こっちのバニラビーンズが入ったシュークリームもちっちゃくて、食べやすいじゃない。いくらでも入るわ。くそぉ」

 「あぁ。もう毎日来たいわ〜」
 「何いってんの。明日は断食よ」
 「リバウンドしても知らないわよ〜」
 「ふん」
 「ふん」
 「・・・で?」
 「3周目? 余裕よ」
 「勝負よ大谷!」
 「そっちこそ!」

 大皿を持って乙女たちは立ち上がる。
 そのまま甘い甘いスイーツ前線に、走っていった。










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 クリスマスだからといって仕事が減るわけではないが、最低限のことを終わらせて、堂島と足立は早めに署を出た。
 今日は、これから堂島家でクリスマスパーティーがある。

 車をふかせた堂島は、違和感を覚えた。

 「くそ。バッテリーが上がってやがる! こんな日に限って!」
 「まぁそういうときもありますよ。僕の車で行きましょう」
 「頼む」

 堂島が乗り込んだのを確認して、足立は車を出した。
 しばらく走らせると、河原にさしかかる。
 家までもう少しだな、と堂島がつぶやくと、急に足立が押し黙った。
 ウィンカーを出して、車は路肩に止まる。
 「どうした?」

 足立の方を見ると、ぐい、と顔を引き寄せられ、唇を塞がれる。
 「足立・・・?」
 二度、三度と吸われて、ようやく唇が離れた。
 「お前・・・」
 「お願いです堂島さん。抱いてください」
 思い詰めたような瞳に、堂島は内心うろたえた。
 「・・・パーティーが終わったら、何度でもしてやるから」
 足立は堂島の袖を掴んだまま、首を振った。

 「家に帰ったら、あなたはいいお父さんで、いい叔父さんになる。
 いいんです、それは。あなたには2人を捨てられないから」

 耐えるような表情で、足立が身を乗り出す。

 「だけど家に帰るまでは・・・、せめて帰り道だけでも、僕の恋人でいてください! 僕に堂島さんをください!」
 足立の手が震えている。ここまでこいつを追いつめたのは、俺のせいか。
 堂島が舐めた柔らかい唇が、月明かりに、怪しく光る。
 たまらず、それに吸い付いた。

 「・・・いいんですか?」
 「俺だって、お前といたい」

 目を見開いた後、足立は幸せそうな、泣きそうな表情で、強く抱きついてきた。
 そのままリクライニングを倒し、足立を跨がらせる。


 「あ、あっ、堂島さん、深い・・・!」
 「まだイくなよ。入れたばっかりだからな」
 「やぁっ! 胸、さわらないで・・・!」
 「こんなにして、何が駄目なんだ?」

 胸と股の尖りを弄ってやると、物欲しげに内部が締め付けてきて、堂島も余裕がなくなる。
 下から激しく突いてやると、足立は堂島の首にしがみついて、色っぽく腰をくねらせた。
 「堂島さん、好き・・・!」
 「俺、も・・・っ」

 色っぽい足立の声に、堂島は白濁を内部に叩き付ける。
 甲高い悲鳴を上げて、足立も震え、放った。

 荒い息と2人の匂いが、車中に広がる。



 「・・・時間、過ぎちゃいましたね」

 「いつものことだって、あいつらも思ってるさ」
 「悪いお父さん」
 「今は、お前のものなんだから」
 「・・・はい」

 可愛い恋人と舌をからめながら、さて着替えをどうしようかと思考を巡らせた。











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 天城屋旅館の裏口をこっそり開けて、部屋の中を覗いた。
 「・・・雪?」
 小声で呼んでみたが、俺の声が闇に溶けただけだ。
 しかたなく、体をすべらせて中に入り、2つ目の待ち合わせ場所に向かった。


 幼なじみの雪が、「恋人」の雪になった。
 親友だと思っていた相手に突然告白されたときはショックでしばらく拒絶したが、
 俺も雪のことが好きだと自覚し始め、この冬、俺から告白し直した。
 まだまだなれないことばかりだが、少しずつ距離を近づけていけたら、と思う。

 廊下を通り、雪の部屋の扉を叩いた。

 「雪。俺だけど」

 しばらく待ったが返事はない。
 薄く扉を開けて、中をのぞいてみた。
 ・・・あれ、いるし。

 「入るぞ」
 背を向けて、ベッドにもたれかかるように座っている雪に近づいた。
 反応がなくて、正面に回ると、寝息が聞こえてきて。

 「疲れてんだな」
 クリスマスシーンズンで、このところ雪のやつ、働き詰めだったから。
 今日だって本当は会えないはずだったのに、「休憩時間もらうから」と、時間を作ってくれたのだ。
 傍らにひざまずき、俺は雪の顔をそっと眺めた。

 白い肌。濃いまつげ。男の俺から見ても、整ったきれいな顔。
 女の子にもてまくるのに、俺が好きなんて、ある意味、七不思議の1つだ。
 去年なら雪に彼女ができても、軽口を叩きながらも祝福しただろうが、今はその自信がない。
 だれにも渡したくない。

 「雪・・・」

 気づけば、髪に口づけていた。
 瞬間、自分のしたことを自覚して、頬が熱くなる。

 そういえば、自分からキスしたのは初めてだ。
 は、はずかしい。
 雪を起こさないように、じりじりと後ろに下がろうとして、ぐっと腕を掴まれた。

 「千枝・・・」
 「ゆ、雪、起きてたのか・・・!?」

 まだ眠たげな目が、きらりと光る。

 「い、いつから!?」
 「千枝が名前、呼んだとき」
 「最初っからじゃねぇかぁあああ!」
 「うん。ばっちり」
 「あぁああああ! 忘れろ! 忘れてくれ!」
 「嫌だ。永久保存する」
 「うぅうううう。これだから記憶力がいいやつは、やなんだ」
 「・・・俺のこと、嫌い?」
 「・・・う」
 「答えて、千枝」
 上目遣いで見られて、胸がドキドキした。

 「・・・き、嫌いじゃない」
 「ちゃんと言えって」

 壁まで追いつめられて、俺は・・・。
 ぶつかるように、キスした。

 「・・・い、今はこれで勘弁っ!」
 真っ赤になって言い放つと、雪はぽかんとして、くすくすと笑い出した。
 「な、なんだよ!」
 こっちはすっごい勇気だしたのに!
 「ごめんごめん。千枝が可愛くって・・・」
 「何をー!? ・・・っ」

 ふわりと抱きしめられて、俺は黙った。

 「・・・本当に、千枝だよな」
 「当たり前だろ」
 「だって千枝が俺を好きになってくれるなんて、無理だと思ってたから・・・」
 か細い声に、俺も雪を抱きしめた。
 「ごめん、雪。長いこと、待たせて」
 どんなに俺が口汚いことを言っても、無視しても、雪はずっと俺のことを好きでいてくれた。
 今度は俺が、応える番だ。

 回した腕に、力が入る。

 「千枝・・・」
 「ん」
 「アンコール」
 「え」
 「キス、アンコール」

 見つめられて、ドキッとする。
 「え、えっと、その」
 キョロキョロと周りを見て、雪の頬に手を置いた。
 「い、いくぞ」
 「うん」
 「ほ、本当にするぞ」
 「・・・早く」

 雪が目を閉じる。
 ごくりと喉をならして、俺も覚悟を決めて、唇を・・・。


 「雪くーん! 休憩終わりだよー!」
 ドンドン、と扉を叩かれて、俺たちはびくっとする。

 「聞いてるー!? 雪くん!?」
 「すぐ行きまーす!」

 足音が消えて、俺たちは溜息を吐く。
 「・・・危なかったな」
 「俺は、見せつけてやってもいいけど」
 「俺の心臓、止める気か!?」
 「・・・続き」
 「・・・」
 「まだ、してもらってない」

 じっと見つめられて、がっちり首に手をかけられて。

 覚悟を決めて、唇を近づけた。











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 クリスマスの日は堂島家でパーティーをするからイブは2人で会いましょうと、よくわからない理屈をこねられて、堂島の甥と一緒に過ごすことになった。
 4月に稲羽市に越してきたこの少年は僕の何が気に入ったのか知らないけど、ちょくちょく話しかけてきては、やたらと僕の手や腰を触り、嬉々として去っていくという変態行為をくり返していた。
 1ヶ月もたつと、昼夜構わず僕に会いに来て、「好きです」とか「キスしていいですか」とか頭を疑いたくなるようなことをささくようになった。
 大丈夫かこいつ。堂島さんの甥っ子じゃなきゃ、公務執行妨害で逮捕してぇと思いつつも、セクハラ行為と熱っぽい言葉に、だんだん慣れてきてしまい、酒の勢いも手伝って、とうとうこの前、体を許してしまった。
 二日酔い以上に、やばい、僕、しょっぴかれるんじゃね? とおろおろしていたが、少年が周りに言いふらさなかったせいで、どうにか今も僕は職を失わないで済んでいる。そのかわり、少年が僕の家によく来るようになり、ずるずると関係は続いていた。


 そしてイブ当日。
 僕は、アパートの風呂場でろう城していた。


 「足立さん。着替え終わりました?」
 「・・・本当に着なきゃ駄目?」
 「俺が着せてあげましょうか?」
 「いい! じ、自分で着るから! 絶対! 扉あけちゃ駄目だからね!」
 「は〜いv」

 そうは言ったものの・・・。
 渡されたサンタの衣装を眺め、羞恥に顔が真っ赤になる。
 なんで、男が、ミニスカートとニーハイなんだよ!
 心の中で叫んでみたものの、でも、と考え直す。
 ここで着ていかないと、もっとひどいことをさせられるのは目に見えている。
 先週の記憶が、ぶあっと蘇り、震えが来た。
 あんな恥ずかしいこと2度とするもんか!

 「クソ! 今日だけだからな!」

 えい、と上着を脱いで、衣装を手に取った。





 「・・・着たよ」
 「は〜い♪」
 「・・・その、むこう向いててくれない?」
 薄く扉を開けてお願いしてみたが、そのまま手を引っ張られ、少年の前に飛び出した。
 「わわっ・・・!」
 慌ててスカートの端を抑える。
 「み、見るな・・・っ」
 ごくっと唾を飲み込む少年に、恥ずかしさと自己嫌悪で頭がクラクラした。

 「触っていいですか・・・?」
 「だ、駄目に決まってるだろ!? それに! これ着たら、今日は僕に触らないって約束だろ!?」
 「ちっ。覚えてたか」
 「おいこら」
 「じょ、冗談ですよ。さぁ、パーティーに行きましょう」

 トナカイの衣装を着た少年は、紳士に微笑み直す。
 差し出された掌に手を重ね、僕はしぶしぶエスコートされた。




 少年が用意した料理は、お世辞ぬきに美味しかった。
 ノンアルコールのシャンパン、僕にはワインも出してくれて、これでこの子が変態でなければ、純粋に楽しいと思える時間だった。実際、セクハラじみた会話以外は、話しぶりもうまく、話題にことかかない。これも手作りだというショートケーキを食べながら頷いていると、ほっとしたのか、次第に眠気が増してきた。
 「・・・足立さん?」
 「あ、あぁごめん。昨日、ちょっと遅かったから・・・」
 目をこすってみたが、気を抜くと船を漕いでしまう。

 「コーヒーいれてきます」

 少年が立ち上がる気配。僕は、自分でもよくわからないことを呟きながら、目を閉じた。





 「ん・・・っ」
 「あ。起きました?」

 まぶたを開けると、少年の顔がぼんやり見えた。
 どうやら僕は、ベッドに寝かされているらしい。
 「ごめん。眠っちゃったみたいだね」
 体を起こそうとして、僕は違和感を覚えた。
 ・・・起きれない?

 はっとして、自分の体を見ると、僕の両手両足は布のようなもので、ベッドに縛り付けられていた。
 「な、なにこれ・・・!?」
 「足立さん。覚えてます?」
 「はぁ!?」
 馬乗りになって、にこにこと微笑む少年に、背筋がぞっとした。
 「僕との約束ですよ」
 「・・・約束?」
 「『サンタコスを着たら、今日は足立さんに触りません』」
 「・・・それが?」
 少年は、携帯の待ち受けを僕に見せた。


 0:10


 ・・・・日付が、変わった?

 「ということで頂きます」
 「ちょ、ちょっと!?」

 僕の太腿に手を這わす少年に、じたばたと抵抗する。
 「あのね! そんな子どもじみた言い訳が通用すると思ってんの!?」
 「その言葉、そっくりお返しします。俺は嘘は言ってませんし、約束も守ってます。
 ・・・これでも、そうとう我慢したんですよ? こんなエロい格好した足立さんのそばで、おあずけくらわされて」
 開かされた内股に、口付けられて、びくっと体が震える。

 「散々、俺を焦らしたんですから、覚悟してくださいね♪」
 「ぎゃー!!!」

 悲鳴ごと舌でからめ捕られ、思うさま口内を味わわれる。気持ちよくなってきて、四肢が震えた。
 「ふぁ、ん、あっ」
 上着を胸元までずらされ、胸の飾りを摘まれる。
 「やっ! それ、やだぁ・・・!」
 「感じてるくせに」
 意地悪く笑われて、かぁっと頬が熱くなる。

 「足立さん。ショートケーキは好きですか?」
 急な話題の転換に、潤んだ目で少年を見上げた。
 「実はね。ホイップリーム泡立てすぎちゃったんで、持ってきたんですよ。コーヒーにでもいれようって」
 そう言いながら、どこからか大きなボールを取り出し、ラップを剥がした。
 「それでもまだいっぱいあるんで・・・一緒に食べましょう♪」
 「えっ・・・あっ!」

 少年が長い指でクリームをすくったかと思うと、僕のはずかしいところに塗りつけてきた。
 鎖骨、乳首、へそ、太腿、半端に脱がされたニーハイの足、指、腕、髪、顔、そして、性器には特にたっぷりと。
 もちろんできる限り体は捩ってみたが、手足をつながれ、上から押さえ込まれた僕に、何ができただろう。塗っては舐められ、卑猥なことをささやかれ、内股が快楽に震えてくる。

 「気持ちいいんですか」
 「ん、あぁ、言うなぁ! あぁん!」

 また柔らかいクリームが胸に塗られ、その柔らかすぎる感触と、ねちこく舐め、噛み、飾りを押しつぶしてくる舌の熱さに、甘い声が止まらない。
 「こっちも限界かな?」

 すでに2度イかされたのに、また僕のものは蜜をだらだらと零し、最奥はひくひくと蠢いた。

 「ねぇ。欲しいって言ってください」

 少年が、ふとせつない表情で僕を見た。
 「俺のこと、欲しいって」

 髪を優しく撫でられ、僕はためらう。
 そういえばこの少年は、いつも一言僕に断ってきた。
 キスをするときも、体に触るときも、約束するときも。
 いつも、僕の答えを待っていた。
 僕の答えを欲しがった。
 それは、きっと・・・。

 「手、ほどいて」
 「・・・」
 「逃げないから」

 両手が自由になり、僕は少年の首にしがみついた。
 まだ、好きなんて言ってやらないけど。


 「・・・もっと気持ちよくして」


 「・・・わかりました」
 幸せそうに微笑んで。
 僕らは、互いの願いを叶えた。











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 約束の時間が近づいている。
 家では菜々子と甥がクリスマスパーティーの準備をしているだろうに、俺はまだ仕事場にいた。

 「堂島さ〜ん。ちょっと来てくれません?」

 足立に呼ばれて、プリンターを見に行った。
 「どうした?」
 「ちょっとここ見てくれます?」
 「ん? どれ・・・」
 かがみこもうとして、急に襟元を引っ張られた。
 「なっ・・・んん!?」
 噛みつくようにキスされて、歯列をなぞられる。
 逃げようにも、がっちり首をおさえられて、身動きが取れない。
 「あ、だち・・・ふっ、あ」
 予期せぬ情熱的なキスに、思わず足立の胸にすがりついた。
 「堂島さん・・・」
 うっとりとささやかれて、俺も歯止めがきかなくなった。
 性急に互いのベルトを外し、愛撫しあう。
 「足立、場所を・・・」
 「すみません。我慢できないんで」
 駄目だ、と言う前に、前を揉みしだかれて、嫌だとは言えなくなる。

 立ったまま机に胸を押し付けられ、下着ごとスラックスをずらされる。
 背中に足立の顎が乗り、腰を持ち上げられた。
 「いれますよ」
 「・・・っ!」
 あまりならされていない秘部に、足立のものが押し付けられる。
 俺の呼吸にあわせて、一気に貫かれた。
 「あぁ・・・!」
 「きっつ」
 前も後ろも嬲られて、吐く息が熱っぽくなる。
 「そんなに腰ふっちゃって。気持ちいいんだ?」
 首もとで、くすっと笑われて、甘いしびれが走る。
 「足立っ。もう・・・!」
 「一緒にイきましょう」
 一段と激しい突きに、馬車馬のように腰を振る。
 かりっと耳を噛まれて、嬌声を上げながら射精した。
 ぎゅうっと中を締め付けると、足立も思い切り腰をぶつけて、放った。
 その衝撃に、びくっと体が震え、そして、・・・近くで轟音がした。

 「え?」

 ぽかんとして床を見ると、プリンターが落下していた。
 まわりに、部品を散らばせて。

 「げっ!? 壊した!?」
 「やばっ! へこんでるかも」

 慌ててしゃがもうとして、まだ中にある足立のものが、ぐりっと動き、目の前に火花が散る。

 「はぁっ・・・!」
 「ちょっ! 堂島さん、動いたら・・・!」

 中のものが大きくなって、俺はかぁっと頬を染めた。
 「ば、ばか! 早く抜け!」
 「・・・っ。そんな締め付けたら・・・!」
 「あぁっ!」
 腰を引き寄せられて、俺は喘いだ。
 「堂島さん、すみません」
 容赦なく抜き差しされて、声がおさえられない。
 「後で、僕が片付けますから」
 「あぁあああっ!」

 与えられる悦楽に頭も体も塗りつぶされていった。











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 コスチュームを風呂の座椅子に置いて、俺は悩んでいた。
 可愛い甥っ子に頼まれて、サンタクロースの仮装をすることになったのだが、渡されたのは女物だ。
 懇願されて俺も「わかった!」と息巻いたものの、スラックスを脱いだあたりで、さすがに冷静になった。
 何度見ても変わらない光景に、がりがりと頭を掻く。
 「堂島さん。着れました?」
 ひょこっと現れた少年に、我ながら恥ずかしくなるくらい、びくっと震えた。
 「・・・なぁ。ほんとに、これ着ないといけないか?」
 「足立さんのスカートよりは長めですけど」
 「いや、でも、その・・・これまで着けるってのは」
 「ガーターですか?」
 「あ、あぁ。ほら、俺、今日、トランクスだし、変だろ?」
 「脱げばいいんですよ」

 じょきじょきじょきっ。

 「これでよし」
 「えぇええええ!? ちょっ、おまっ!」
 「さぁどうぞ☆」

 俺の下着を切り裂き、没収した甥は、天使のような笑みを浮かべながらガーターベルトを差し出した。
 「あほか! 何してんだ! あぁもうツッコミが追いつかん! つか寒っ!」
 「まずはこれを着てからです。それに、さっき、『男に二言はない』って言ってましたよね?」
 「・・・っ! 着ればいいんだろ着れば!」

 真っ赤になりながら、ひらひらした布を腰に巻いた。
 「くそっ! あとはなんだ!?」
 すかさずストッキングを渡されて、さっき処理したばかりの足に通すため、
 風呂のふちに腰掛け、片足を上げた。
 そのとき、思わぬ力がかかり、生暖かい感触に包まれた。
 「なっ・・・! お前! ・・・っ」
 「履いてもらっていいですよ」
 少年が、股の間にひざまずいていた。
 あろうことか、俺のものに手をそえ、もう一度咥えようとしている。
 「や、やめろっ・・・!」
 足をばたつかせたが、不安定な場所に座っているため、逆に太腿を抑えられる格好になった。
 「暴れると危ないです」
 ちゅぱ、ちゅぱと舐められて、甘いしびれが走る。
 「ふっ・・・あっ、んぁ」
 「ふふ。堂島さんも、本当はその気だったんですね」
 んなわけあるか!
 と言ってやりたかったが口を開くと喘ぎが漏れそうで、ぐっと唇を噛み締め、ストッキングを履くことだけ考える。
 ようやく膝まで上げたが、鈴口をちろちろと舐められて、思わず手を離してしまう。

 「堂島さん・・・」
 うっとりとささやかれて目線を下げると、上目遣いで見られて、ひくっと腰が震える。
 「出して、いいですよ」
 「・・・っ」

 やんわりと咬まれ、吸われ、たまらず少年の髪を掴む。
 腰を突き出した瞬間、口の中に放っていた。

 「・・・す、すまん」
 「俺がしたかったですから」
 唇を舐める表情が色っぽくて、俺は喉をならした。

 「あの、な」
 少年の頬を撫でた。
 「パーティーが終わったら、続き、しよう」
 「はい!」
 腰に抱きつかれて、慌てて体を支える。
 「・・・部屋、戻るか」
 「その前に・・・」
 少年が俺の足を持ち上げ、にっこり微笑んだ。

 「ストッキング、履かせてあげます」











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 「え〜? もう終わり〜?」
 ふらつく少年が滑稽で、僕はニヤニヤ笑った。
 「僕を捕まえに来たんじゃないの?」
 「・・・っ! まだまだ!」
 胴狙いの攻撃を余裕でかわして、僕は刀を蹴り上げた。
 慌てて拾いに行く少年の足を払い、投げ出された手を虫みたいに踏んづけた。
 「馬鹿だよねぇ。君も。1人で乗り込んで来るなんてさぁ」
 僕の下で苦痛に歪む顔。最高にぞくぞくして、さらに踏みにじってあげた。

 「・・・っ、あっ」
 「ん? なにそれ?」
 少年の胸ポケットに、何か入っている。
 「そ、それは・・・!」
 焦る表情が面白くて、その包みをつまみ上げた。
 「クリスマスプレゼント?」
 「・・・」
 「あぁ。もしかして、今日、クリスマス?」
 テレビの中には時間を感じさせるものがないから気づかなかった。
 可愛らしいパッケージを裏返すと、小さく「足立さんへ」と書かれていた。
 「へぇ? これを僕に?」
 「・・・」
 「ははっ。バカじゃないの? なにそれウケる〜」
 「・・・前から、買ってて」
 「・・・」
 「今日は、堂島さんの家でみんなでクリスマスパーティーをする予定でしたから」
 「・・・」
 「俺と、菜々子と、堂島さんと、それと」
 「うるさい」
 「ぐあっ!」
 「・・・これだからガキは嫌いなんだよ」
 顎を蹴り上げ、銃を突きつけた。
 「ほんと君らうざいんだよ。捜査? 仲間? 青春? 正義?
 1人で僕のこと捕まえて、勇者にでもなるつもりだった? バーカ!!!」
 「俺、は・・・」
 傷みに顔をしかめながら、少年は僕を見た。
 「あなたを迎えに来たんです」
 「あ?」
 「・・・帰りましょう。元の世界に」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

 銃で殴った。

 「戻ってどうすんだよ。ほんとバカだな。それともなに?
 帰ってなにごともなくパーティーでもしようっての?」
 「方法は・・・あるはずです」
 「ほんとバカだな。つまんな〜い。もっと面白いこと言えない?」
 ろくなことを言わない口に、銃を咥えさせた。
 むせる少年にかまわず、銃口で口内を嬲ってやる。
 「あれ? 君、感じてんの?」
 見れば、少年の股のあたりが膨らんでいて。
 「はは! 傑作! 君ってマゾ?」
 必死に首を振る少年。ちょっと面白い。
 不意に閃いて、僕はにこっと笑った。
 「そうだ! 君のバカみたいな情熱に免じて、1つ賭けをしよう」
 弾倉から5つ弾を抜き、少年の前にもう一度突きつけた。
 「賭けの内容は、いたって簡単。
 この銃には一発だけ弾が残ってる。僕が君を撃ち殺す前に、君が銃でイったら、命だけは助けてあげる。
 どう? 簡単だろ?」
 呆然とする少年の太腿を踏んだ。

 「舐めろよ」
 「・・・っ!?」

 少年の顔は見物だった。いくつもの感情が通り過ぎ、葛藤がまぶたを濡らし。
 そして、
 黒いものに、舌をのばした。

 僕は太腿に置いていた足を、股間に移動させ、靴先で押してやる。
 「・・・やっぱ君、マゾだね」
 こんなときでも顔を赤らめるなんて。
 ほんとバカ。

 「とんだクリスマスパーティーだ」

 撃鉄をおろした。

 「さ。始めよう」











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