横倒しになったヘッドライトに、どす黒い水たまりが照らされる。
夢のような現実に、僕は、まだ頭がついていかなくて。
「堂島さん・・・」
体の力が抜けて、膝をつく。
「堂島さん」
にじり寄ると、地面につけた膝がぴちゃっと濡れた。
倒れているその人の肩を掴み、子どもがするように揺さぶった。
「堂島さん。そんなとこで寝てたら風邪引きますよ〜?
もうすぐ救急車来ますし、僕だけで事情説明するなんて、かったるくてやってられないっすよ」
いつものようにへらっと笑おうとしたのに、唇が震えて。
「ほ、ほら。子どもらだけに、現場任せておけないでしょ〜? いつもみたいに『遊びじゃねぇんだ!』って叱ってやってくださいよ〜。僕だけじゃ、僕1人じゃ・・・」
にじんでくる視界。堂島さんが見えなくなって、あわててごしごしと目元をこすった。
「ねぇ、堂島さん。起きてくださいよ・・・」
抱き寄せた体は嘘みたいに冷たくて。
「ねぇ。たまには相棒の言うこと、聞いてくださいよ・・・」
いつまでもいつまでも名前を呼び続けていた。
>>>TIP*13-1