帰る帰る、とごねる足立をどうにかなだめ、家にあげた。
ふらつく足立を俺の部屋まで連れていき、ようやく手錠を外させる。
すれた手首が痛かったが、跡が残るほどでもない。
皺になりそうなものだけ脱ぎ、足立の服もむりやり脱がせ、布団に連れ込んだ。
「もう寝ろ。朝、起こしてやるから」
それまでぐずっていた足立も、布団のあたたかさにはかなわなかったのか、すぐに寝息が聞こえてくる。
体を丸めて眠る足立を見て、子どもみたいだなと思った。
「お前、寂しいのか」
そっと頬を撫でると、足立は布団の奥にもぐっていった。
飄々としたように見えて、こいつも辛い思いをしてきたのだろうか。
俺がまだ千里のことを忘れられないように。
俺が足立にできることは、なんだ。
女でもない、恋人でもない、ただの同僚に。
言葉をつくしたところで、こいつは根っこのところで信じないだろう。
なんでもないと、へらっと笑って、遠ざかって、1人で泣くのだろうか。
だれも信じない、だれも必要ないと強がって、逃げて、自分から相手を見限って。
・・・だったら、俺は何があっても、こいつを見放さない。
世界のすべてがこいつを非難しても、俺は、こいつのそばを離れない。
たとえ、こいつが俺のことを信じなくても。
それが相棒としてできる、せめてもの約束だ。
目を閉じると、胸のあたりに、足立の吐息を感じた。
あたたかくて、くすぐったくて、少しこいつに近づけたようで。
久しぶりに感じる人のぬくもりに、涙が出そうだった。
>>>TIP*13-6