夢の中に会いにきて 〜1〜
稲羽署に配属されて、2ヶ月が過ぎた。
あいかわらず仕事はつまらないが、堂島とのコンビにはなれつつある。
堅物だけど、どこか憎めないし、ときどき見せる「お父さん」の顔もそばで見ていて楽しい。
自宅に招かれるのは面倒くさいときもあるけど、ただでご飯が食べられるし、悪くないって感じ。
今夜も店屋物をおごってもらって、署内で書類整理をしていた。
「おい。あの調書どうなってる?」
「あぁ、例の事件のやつですか? えっとそれならここらへんに・・・。
・・・・・・・・・ないですね」
「あぁ!?」
「いやいやあるんですけどね! えーっと、家に置いてきちゃったかなぁって」
「馬鹿野郎。それじゃあ今日中に仕事終わんねーじゃねぇか!」
「痛っ! 叩かなくてもいいでしょ!?」
「ったく。仕方ねぇな。行くぞ」
「へ? どこへ?」
「決まってんだろ。お前の家だ」
「えぇえええええ!? 嫌ですよ! もう明日でいいじゃないですか!」
「昨日もそう言って、のびたんだろうが! さっさと動け!」
「え、じゃ、じゃあ僕、取ってきますから、堂島さんはここに・・・」
「早くしろ!」
「え〜〜〜!?」
さっさと廊下に消えた堂島を重い足取りで追った。
「言っときますけど。部屋きっっっったないですからね!」
「男の一人暮らしに、んなもん求めちゃいねぇよ」
「うぅ。なんでこうなったんだろ・・・」
しぶしぶ鍵を開けて、中に招き入れた。
客用の座ぶとんなんて買ってないから、適当にクッションの上に座ってもらった。
「コーヒーでもいれましょうか?」
「いや、いい。書類あったか?」
「はい。これです」
ぺたんと座って、僕も一緒に確認する。
「ん。間違いないな。じゃあ、さっきの続きだが」
「えっと・・・くしゅっ!」
急に寒気がして、鼻を押さえた。
「風邪か?」
「あ〜ちょっと、朝から喉は痛かったんですけど」
「ん。どれどれ」
堂島が、僕の額に手を置いた。
「ちょっ、子ども扱いはやめてくださいよ!」
「一々気にしてんじゃねぇ。それより、熱あんじゃねぇか」
言われてみれば、なんだかぼんやりする。
「大丈夫ですって。こんなこともあろうかとちゃんと薬買ってるんですから」
サボっ・・・いや、行っててよかったジュ〜ネ〜ス。
「ほらこれ。1日2回飲めばよし! 大人向け内服薬!」
「・・・お前、それ、座薬だぞ」
「え!? えぇええええぇぇぇ・・・」
「鞄に戻すな」
「はは、お尻に入れるくらいなら、風邪ひいたままでいいです・・・」
「ガキかてめぇは。さっさとやれよ」
「嫌ですよ! もう大丈夫ですから、さっさと書類整理しましょう!」
「馬鹿! 体あってなんぼの商売だろうが! ちょっと貸してみろ」
「な、何するんですか!」
「入れてやるから。ほら、尻出せ」
箱を開ける堂島さんに、僕は青ざめた後、一気に顔が熱くなった。
「じ、自分でやります! 入れますから! 返してください!」
「意地はらんでいい。ほら横になれ」
さっとベルトを抜かれて、下着ごとスラックスをずらされた。
両足を肩にかつがれて、浮いた尻に、堂島の手がかかる。
その間も、僕はどうにか逃げようと足をばたつかせたが、
がっちり組み敷かれて、余計に自分の尻を堂島にすりつけるような形になってしまう。
「も、ほんと、いいですから、やめてくださいよぉ」
大の男が座薬入れてもらうとか、なさけなくて半泣きになりながら言ってみたが、相手は涼しい顔だ。
「病気のときくらい、大人しく甘えとけ」
そう言って口に咥えた袋を破り、白い薬を僕の粘膜にぴたりとつけた。
「ひっ」
「いくぞ」
うにゅっと妙な感覚がして、硬いものがゆっくりと中に入ってくる。
気持ち悪い。恐い。恥ずかしい。
普段意識することのない、粘膜の蠢きをダイレクトに感じて、息が詰まる。
「そんなに緊張するな。入らないだろ」
「うっ、あっ・・・むりです」
「大丈夫だ。俺にまかせろ」
優しくなだめるように、頭を撫でられた。
不思議とそれが気持ちよくて、じわっと胸が熱くなり、下肢の緊張が解れる。
また薬が押し込まれたが、今度はさっきほどの抵抗もなく、ゆっくりと中に飲み込んでいく。
「もうちょっとだ。頑張れよ」
「ふぁ、あぁ」
まともに喋れなくて、こくこくと頷く。
気持ち悪くて気持ちよくて、濁流に呑まれるような意識の中、たくましい腕にしがみついた。
「・・・入ったぞ」
「は、い」
初めての異物感に、腹がぴくりと引きつる。
泣きたいのを堪えながら体を起こそうとしたが、堂島が僕の上から動かない。
「お前・・・」
「え? え、やだ、うそ」
堂島の視線の先。僕のそこは先走りの蜜を垂らしながら、物欲しげにひくついていた。
ショックだった。
なんで、僕、そんなお尻触られただけで。
しかもよりによって、同僚の前で。
「・・・じっとしてろよ」
耳元でささやかれたと思った瞬間、ペニスを握られた。
「え! やぁ、堂島さん、やだぁ・・・!」
緩急つけて揉みしだかれて、あっという間に、放ってしまう。
「はぁ、あ、ん」
快感に喘ぐ僕の体をそっと横たえ、堂島は何事もなかったように、
散った精液を拭き、衣服を整えてくれた。
彼のネクタイも汚してしまったようで、罪悪感と羞恥に頭がガンガンする。
尻を嬲られただけでも、消えたいくらい恥ずかしいのに、
男の、しかも同僚の手でイかされるなんて。
最悪。もうやだ。消えたい。
「寝間着どこだ」
「・・・」
「今日は仕事いいから。もう寝ろ」
「・・・」
立ち上がった堂島さんを見送ることもなく、僕は扉の音を聞いた。
ぽつん、と1人になった部屋で、
着替える気力もわかず、そのまま布団に頭からつっこむ。
余韻の残る、熱っぽい息を吐いて、唸る。
どうしてこうなったんだ。
書類を取りに来て、話すだけのはずだったのに。
・・・・・・・・・堂島さん。
「明日、どんな顔して会えばいいんだよ・・・」
下着がすれて、また妙な気持ちがわいてきたが、歯を食いしばって堪えた。
>>>2
続きものスタートです。
ロマンチックじゃない始まりでごめんなさい。
でもBLっぽく頑張ります! 手遅れでなければ!<うぉい